パニック障害に薬は効くの?

パニック障害で使われている主な薬の目的は2種類です。

パニック発作を起こりづらくするお薬と、発作が起きたときのレスキュー薬として使うものです。

2種類をうまく組み合わせて治療を進めていくのが一般的と言われています。

この記事を読むことで

メリット1.発作が起こりにくい薬が分かる
メリット2.発作が起こったときに服用する薬が分かる
メリット3.薬の内容が分かる
このようなメリットがあります。

不安ちゃん不安ちゃん

パニック障害で使われている薬はどのようなものがあるのか知りたいです。
また、薬の内容やどれぐらい服用して良いのか気になります。
ぜひ、薬の正しい服用の仕方を教えてください。

谷藤千秋谷藤千秋

パニック障害で使われている薬や薬の服用の際の注意点をお伝えします。
しかし、薬は一時的な安心感につながるかも知れませんが、いつまでも薬に依存するのではない方法を探していくことも重要です。
正しい薬の服用法をマスターしながら、薬をやめる方法も考えていきましょう。

この記事はこんな方におすすめです。
  • パニック障害で使われている薬が知りたい
  • 発作になりにくい薬を知りたい
  • 発作が起こったときに飲める薬を知りたい
  • 薬をどれくらい服用して良いのか知りたい
  • 薬に依存したくない

発作を止めるためや予防のために飲む薬がどのようなものがあるのか気になりますよね。

しかし、正しい薬の飲み方を知らないといつまでも薬に頼ることになったり、克服にはつながりません。

今回お伝えする薬について正しい知識を知らないと時間も無駄にして、ただ単に薬を飲み続けることになるので、必ず最後まで読んでくださいね。

パニック障害の原因と薬以外の治し方を解説

薬に頼らないパニック障害の克服を目指す方法

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パニック障害に使わている主な治療薬について

パニック障害に使われている主な薬の種類は2種類です。

1つ目がパニック発作を起こりづらくする抗うつ薬で「SSRI」。もう1つが、発作が起きたときの抗不安薬になる「ベンゾジアゼピン系」です。

次に、SSRIとベンゾジアゼピン系、それぞれの特徴やメリットなどについて説明していきます。

また、SSRIとベンゾジアゼピン系の薬を服用するときの注意点も含めて、確認していきましょう。

抗うつ薬「SSRI」とは?

抗うつ薬で主に使われているSSRIは、正式には「セロトニン再取り込み阻害薬」と言います。

いくつかの種類があるSSRIの多くは、パニック障害以外にも、強迫性や社会不安で起こる障害の対処法としても有効であることが認められています。

SSRIは、即効性はなくゆっくりと効果を実感していくのが特徴です。そのため、効果を出すためには継続的に服用することが必要であると言われています。

また、服用を2ヶ月ほど続けていくと、パニック障害の人の半数以上が発作などの不安から解放されているようです。

さらに、1年継続して続けているとほとんどの人が、パニック発作の症状が起こらなくなったと報告されています。

しかし、人によっては薬の相性が違っていたり、副作用も考えられるため、くれぐれも薬に依存しない対処法を考えていくことをおすすめします。

抗うつ薬「SSRI」の作用機序

次に、どのように抗うつ薬が不安を抑える効果につながるのか見ていきましょう。

私たちの脳の中には「扁桃体」というものがあり、不安や恐怖感をコントロールしています。

そして、扁桃体などが過剰反応することにより、パニック発作の症状を引き起こしてしまうと言われています。

そこで活躍するのが、脳内で分泌されているセロトニンです。セロトニンは、扁桃体など不安を生み出すネットワークを構成する神経細胞に直接働きかけます。

その結果、不安を生み出す神経細胞の活性を抑えることができるため、不安から解放されるとされています。

抗うつ薬SSRIの阻害薬の副作用

体内のセロトニンは、ほぼ消化管で作られています。

また、セロトニン受容体は腸の平滑筋細胞などに存在しており、腸管の蠕動運動を促します。

その反面、腹痛や下痢など腸に関係する不調が起こることがありますが、それ以上に多い副作用は吐き気です。

吐き気が起こる原因としては、迷走神経にセロトニン受容体が存在しており、活性化するためと言われています。

さらに、吐き気以外にも副作用として下記の症状が現れることがあります。

  • めまいや頭痛
  • 体のほてり
  • 膨満感を感じる

など

なお、吐き気を抑えるためには、頓服開始の数日間は、吐き気止めの薬を併用することが有効とされています。

その後、SSRIを開始した直後の強い吐き気も1週間程度で収まることが多いようです。

抗不安薬:ベンゾジアゼピン系とは?

次に、発作が起きたときに服用される抗不安薬の「ベンゾジアゼピン系」についてご説明します。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、一瞬で発作の不安を楽にしてくれる「魔法の薬」として知られており、この薬を飲むことでつらい症状から解放されます。

しかし、薬を飲むことが安心感につながることは良いのですが、あまりにも依存してしまうことは危険です。

なぜなら、薬がないときに不安を感じてしまったり、飲み方を間違えると副作用が起こったりしてしまうことがあるからです。

また、薬に頼るばかりに本来抱えているパニック発作の原因から目をそらしてしまうことになるため、またいつ症状が再発することになるか、わからなくなってしまいます。

そのため、ベンゾジアゼピン系の不安薬の服用については、十分に注意しながら使用するようにしましょう。

抗不安薬:ベンゾジアゼピン系の治療効果

ベンゾジアゼピン系の長所は即効性で、すぐに効果を実感しやすくなることが特徴です。

また、比較的副作用が軽いことも使いやすい要因と言えるでしょう。

しかし、ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、長期間の服用をする場合、注意しなければいけないことがあることを覚えておきましょう。

抗不安薬:ベンゾジアゼピン系の注意点

ベンゾジアゼピン系抗不安薬の服用が長期間にわたる場合は注意が必要です。

長期間の服用は薬剤への耐性が生じることがあり、退薬症候が起きる場合があります。

例えば、薬をやめようとしたときに不安感が強まったり、不眠状態におちいったりすることなどです。

また、ベンゾジアゼピン系抗不安薬は飲んだ後に時間が経ち効き目が切れてくると、離脱症状が出てくることもあります。

なお、離脱症状とは軽い不安やパニック発作が現れる状態を言います。

この離脱症状は薬が切れたことによる不安で起きているのであって、決してパニック障害の病気が悪化したものではありません。

そのため、過度の心配は不要なのですが、パニック障害の人からすると、病気が悪化したと思ってしまう場合が多くあります。

すると、病気が悪化したと勘違いしてしまい、ますます頓服の薬に依存してしまうことになるのです。

その他、服用が続いていくにつれて薬の力が薄らいでくることもあり、薬の量も不安でますます増えてくることにつながることもあります。

結果、悪循環でパニック障害の克服からかけ離れた道を歩むことになるかも知れません。

もし、あなたが現在パニック障害の治療で薬を飲み続けていて、薬をやめたいと考えている場合は、まずは一度気軽にご相談ください。

食事でセロトニンを高める工夫とは?

抗うつ薬治療はセロトニンが大きく関係していますが、服用以外に食生活でもセロトニンを高める方法があります。

実際に今までの研究では、SSRIでパニック症状が治ったと感じた後も、セロトニンの材料であるトリプトファンが欠如した食事を続けていると、パニック障害が再発したという報告があります。

そのため、トリプトファンを日頃から摂取してセロトニンを高いレベルに保つことが、パニック障害の対処法としては有効であると言えるでしょう。

なお、トリプトファンは下記のような食品に豊富に含まれています。

  • 豆腐
  • 納豆
  • 乳製品
  • バナナ
  • ゴマ

など

上記の食品をバランス良く摂取していくように心がけていきましょう。

食事以外のセロトニンを上げる方法

食事以外でも、次のような活動でセロトニンを上げる方法があります。

・有酸素運動
・陽の光を浴びる

それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。

有酸素運動

セロトニンは神経活動が高まると分泌されますが、軽い有酸素運動をすることでもセロトニンの分泌が増えると言われています。

また、有酸素運動はセロトニン量が増えていく他にも、心が落ち着いてリラックス効果にもつながります。

なお、有酸素運動とは一定のリズムで酸素を必要としながら行う運動になり、ジョギングやサイクリングや水泳などがその例です。

さらに、有酸素運動は自宅でもできます。そのなかでもスクワットは、特に道具を必要としないでできるため、気軽に始められる運動としておすすめです。

陽の光を浴びる

屋外に出て直接日光を浴びることも、セロトニンの分泌量を増やす一つの方法です。

日光浴をするには正午までが理想とされています。また、午後の日光浴は紫外線が強くなりすぎるため、あまりおすすめできません。

そのため、日光浴のおすすめ時間は起床直後です。セロトニンには脳と身体を活性化する作用があるため、起床直後に日光を浴びることで、心と体が目覚めやすくなります。

なお、セロトニンの分泌量には限界があるため、日光浴をすればするほど、無限にセロトニンが増えるわけではありません。

日光浴の時間は30分前後が適当ですが、少しの時間でも構いませんので毎日朝一のルーティンに取り入れてみましょう。

薬の服用期間について

薬の理想的な服用期間についての諸説ありますが、一般的に良いと言われている期間については、こちらを参考にしてください。

なお、気をつけておかなければいけないことは、パニック発作がなくなっただけでは、パニック障害が完全に治ったとは言い切れないことです。

その理由としてパニック障害の多くの人は、薬物治療でパニック発作が減ってくると「克服できた」「治った」と感じることがあります。

今まで自分を苦しめていた発作が減ることで、つらい症状から解放されると思うことは、自然なことかも知れません。

しかし、潜在的にある自分の原因に向き合うことなく、薬に頼りすぎたまま治療を完了してしまうと、本当の意味での克服ができないままになってしまいます。

そのため、完全に「克服できた」と言えるためには、独自の原因に向きあいながら、今までの考え方や意識を変えることが必要になるでしょう。

そして、考え方や意識を変えるためには、まずは口に出す言葉を変えることが大切になります。

まとめ

パニック障害に使われている主な治療薬は、こちらです。
・抗うつ薬のSSRI
・抗不安薬のベンゾジアゼピン系

それぞれの特徴は、SSRIの効果には一定の期間がかかるのに対して、ベンゾジアゼピン系は即効性があります。

また、特にベンゾジアゼピン系には長期間の使用に注意する必要があります。そのため、担当医師と十分に相談しながら服用するようにしましょう。

さらに、パニック障害の克服には薬に頼り過ぎるのではなく、今までの意識や考え方を変える方法を見つけていくことが大切です。

もし、現在あなたが薬を続けていて卒業したい場合や、飲み続けていて薬が効かないと感じている場合は、一度気軽に相談してくださいね。

必ず発作の不安から解消される日が待っていますので、正しく薬と向き合っていきましょうね!

薬の服用に関しては、前提としてパニック障害の詳しいメカニズムを知ることが大切です。
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「言葉でパニック不安をやめる方法」については、こちらの記事を御覧ください。