パニック障害が起きたときの落ち着き方!セルフ認知行動療法もご紹介

パニック障害の発作が起こると「気が狂ってしまうのではないか」「死んでしまうのではないか」といった恐怖や不安に襲われます。

たびたび発作が起こると徐々に予期不安に駆られるようになり、外出もままならなくなり、場合によってはうつを発症する恐れもあるため注意が必要です。

本記事ではパニック障害の発作が起きたときの落ち着き方やセルフ認知行動療法について解説します。

この記事を読むことで

メリット1.パニック障害が起きた時の落ち着き方が分かる
メリット2.セルフ認知行動療法のやり方が分かる
メリット3.落ち着き方を知ることでパニック障害の発作の予防につながる
このようなメリットがあります。

不安ちゃん不安ちゃん

パニック障害の発作は突然起こるので、人ごみや狭い空間に行くのが不安で仕方ありません。もしパニック障害の発作が起こった場合、自分で落ち着く方法はあるのでしょうか?

谷藤千秋谷藤千秋

パニック障害にともなう発作の多くは、考え方のクセにや身体症状への過剰な反応によってもたらされます。
そのため、考え方のパターンを見直したり、身体症状への過剰な反応を減らしたりすることで、症状を落ち着かせたり予防したりすることが可能です。
パニック障害を起こしたときの落ち着き方を知っておき、症状の改善・予防につなげましょう。

この記事はこんな方におすすめです。
  • パニック障害の発作に困っている
  • 発作を起こしたときの落ち着き方が知りたい
  • 家族がパニック障害を起こしたときの対処法を教えてほしい
  • パニック障害の改善に役立てたい
  • パニック障害を予防する参考にしたい

パニックは突然起こるため、外出を控えてしまう方も多いですよね。

しかし、外出を控えることはパニック障害の根本的な改善にはならず、いつまでたっても不安や恐怖を繰り返す結果となるため注意が必要です。

今回お伝えするパニック障害の落ち着かせ方を知らないといずれ外出もままならなくなるので、必ず最後まで読んで下さいね。

パニック障害の原因と薬以外の治し方を解説

パニック障害の落ち着かせ方についてより深く学ぶ方法

こちらの記事でパニック障害の落ち着かせ方についてより知識を深めて症状を克服したい方は、パニック不安解消講座に来て下さいね。

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パニック障害が起こったときの落ち着き方

パニック障害の発作で死ぬことは基本的にありませんし、発作自体も数分程度で治まることがほとんどです。

しかし、発作にともなう不安や恐怖はとても強いため、できれば早く落ち着きたいものですよね。

そこで、パニック障害の発作が起こったときの落ち着き方や、自分でできるセルフ認知行動療法などについて解説します。

  • パニック発作について
  • 予期不安と回避行動
  • すぐに外に出られるよう備える
  • 意識の方向性を変える
  • 「54321法」を試す
  • 「4・4・8呼吸」を行う
  • セルフ認知行動療法を行う
  • 家族やパートナーがパニック発作を起こしたら
  • パニック障害が落ち着かない場合の注意点

パニック発作について

パニック障害はある日突然、なんの前触れもなく起こるパニック発作から始まることが一般的です。

  • 動悸や息切れ
  • 冷や汗
  • ふるえ
  • 息苦しさ
  • 息が止まる感じ
  • 吐き気
  • 胸の不快感
  • めまいやふらつき
  • 悪寒やのぼせ
  • 感覚の鈍麻
  • 現実感の喪失
  • 気がおかしくなるのではないかという恐怖
  • 死んでしまうのではないかという恐怖

上記の症状のうち4つ以上が同じタイミングで突然のように起こり、10分以内にピークを迎える点がパニック発作の特徴です。

しかし、パニック障害は心の病気であり、症状自体も病院に行く頃には治まるため、検査をしても原因不明とされるケースがほとんどです。

予期不安と回避行動

パニック障害の特徴的な症状の1つが「予期不安」です。パニック発作を繰り返すうちに「また発作が起こったらどうしよう」といった不安や恐怖に襲われる点が特徴です。

予期不安が強くなるとパニック発作を起こした場所や、発作を起こしそうな状況を回避しはじめます(回避行動)。

例えば電車での通勤中などに何度かパニック発作に襲われた場合、電車に乗ることに対する予期不安が生じます。

電車に乗ることに対する予期不安が生じると、回避行動により電車に乗ることが困難となり、日常生活に多大な支障を来す結果となるため注意が必要です。

パニック発作や予期不安にともなう回避行動がひどくなると、発作が起こったときに助けが求められない場所に行くことが困難となる「広場恐怖症」へと至る可能性もあります。

次章以降ではパニック発作が起こったときの対処法、および落ち着き方について解説します。

すぐに外に出られるよう備える

パニック障害や予期不安を引き起こす心配がある方は、電車などの乗り物を利用する際に、すぐに外に出られるようドアの近くに立つなど工夫するとよいでしょう。

症状の程度が軽微であれば「すぐに外に出られる」と考えることで予期不安を引き起こす可能性を下げ、パニック障害の発症リスクを軽減させることが期待できます。

また、多くの人が集まる場面では、パニック発作が起こったとしても目立たない場所を選ぶこともおすすめです。

例えば会社で大人数が集まる会議をする場合、出口から近い場所を確保することで「発作が起こっても目立たない、すぐに外に出られる」と考えられれば、予期不安のリスクを下げることにつながります。

意識の方向性を変える

パニック障害を引き起こす方の特徴が、身体症状に対して過剰に反応してしまう点です。

例えば動悸は誰にでも起こり得る生理現象ですが、健康な状態であれば「すぐに治まる」「緊張しているから当たり前だ」と考えてやり過ごすことが可能です。

しかし、パニック障害を抱えている方の場合は「心臓発作を起こしたらどうしよう」「動悸がすごくて死んでしまうのではないか」などと過剰に反応する傾向があります。

動悸や心拍数の上昇といった身体症状への過剰な反応を回避するためには、意識の方向性を変えることが重要です。

仮に会社のミーティングのことを考えて動悸がひどくなったのであれば、業務とは関係のないことを考えたり、好きな音楽を聞いて意識を反らすなどする方法があります。

また、飴を舐めたりガムを噛んだりすることも、意識を反らす際に効果が期待できる方法の1つです。

飴やガムの味に集中することで、一時的に動悸をもたらす考え方などから意識を反らすことが期待できます。

飴を舐めたりガムを噛んだりしている間は口を閉じるため、パニック障害の症状の1つである過呼吸を抑えられると感じる方もいらっしゃるようです。

「54321法」を試す

「54321法」はアメリカのウィスコンシン州やミネソタ州、アイオワ州などで60万人の診療をおこなうメイヨークリニックヘルスシステム(Mayo Clinic Health System)が開発した、パニック障害を落ち着かせる方法の1つです。

パニック障害を始めとする不安障害はもちろん、ネガティブな考えが止まらない時の落ち着き方としても効果が期待できます。「54321法」の手順は以下の通りです。

1.目に見えるものを5つ心の中で言ってみる
2.聞こえるものを5つ心の中で言ってみる
3.感じるものを5つ心の中で言ってみる
4.見えるものから順番に今度は4つ心の中で言ってみる
5.4つ確認することが終わったら、3つ、2つ、1つと心の中で言ってみる
6.終わったら①に戻り、5つから1つまで心の中で言ってみることを繰り返す

例えば電車に乗っている際に発作が起きそうになったら、見えるもの(電車の天井や中づり広告、ドアに書かれた注意書きなど)を5つ心の中で言ってみます。

次に、耳に聞こえるもの(電車が走っている音や、社内アナウンス、空調の音など)を5つ心の中で言ってみます。

心の中で言う際には、同じものを複数かい言ってしまっても構いません。違うものを挙げなければと焦らないようにしましょう。

さらに、感じるもの(立っていて足が疲れた、電車の揺れでバランスが崩れた、エアコンの風が気持ちいいなど)を5つ心の中で言ってみましょう。

5つ言えたら次は4つ、3つと徐々に数を減らしていきます。数えている途中で訳が分からなくなっても構いません。五感に集中することで意識の方向性を変え、不安や恐怖を落ち着かせることが期待できます。

「4・4・8呼吸」を行う

パニック障害を落ち着かせる呼吸訓練の1つが「4・4.8呼吸」です。4秒かけて息を吸い、4秒間息を止め、8秒かけてゆっくりと吐き出すことが「4・4.8呼吸」のポイントです。

パニック障害を始めとする不安障害を発症した場合、呼吸が浅くなり呼吸回数が増える傾向にあります。しかし、呼吸回数が増えるとかえって過呼吸症候群を引き起こすリスクが高くなるため注意が必要です。

呼吸をいったん止めたり、ゆっくりと吐いたりすることで、必要以上に空気を取り込まないようにすると、パニック症状を落ち着かせることが期待できます。

パニック障害と過呼吸との関係についてはこちらで詳しく説明しています。

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パニック障害 過呼吸 

セルフ認知行動療法を行う

パニック障害を起こした場合の落ち着き方としては、セルフ認知行動療法もあげられます。

認知療法は薬物療法と並ぶパニック障害の代表的な治療法の1つで、認知療法やエクスポージャー法、リラクゼーショントレーニングなどを通してパニック障害の改善、および再発予防に取り組む点が特徴です。

セルフ認知行動療法は、自分で自分のパニック障害に向き合い、問題を解決していく方法の1つです。セルフ認知行動療法の手順は以下の通りです。

  • パニック不安を繰り返す理由を突き止める
  • 回避行動をとらないよう訓練する
  • 身体症状への過剰な反応を抑制する
  • 不安や恐怖を感じることに慣れていく
  • 呼吸の仕方を見直す

セルフ認知行動療法では、パニック不安を繰り返す理由を突き止めることが重要なポイントです。

どこで、どのような考え方によってパニック不安が起こるのかを突き止めることで、パニック障害を引き起こす根本的な原因が理解できます。

パニック不安を繰り返す理由が突き止められたら、次にパニック不安にともなう回避行動をとらないよう訓練します。

回避行動を繰り返していると、身体症状への過剰な反応を助長してしまい、次第に行動半径が狭くなるため注意が必要です。

同時に身体症状への過剰な反応を抑制することにも取り組む必要があります。

例えばパニック障害を持っている方の場合、階段を上って息切れしているだけなのに「過呼吸で死んでしまうのではないか」と過剰に反応しがちです。

そのような場合に階段を避けるのではなく、あえて階段を上って息切れを誘発し「これは階段を上がっているから心拍数が上がっているだけだ」と考え方を変えていきます。

また、息切れがしても途中でやめずに階段を登りきることで、動悸がしても死んでしまうようなことはないと確認することが可能です。

次に、不安や恐怖を感じることに徐々に慣れるためのトレーニングを行います。

例えば電車に乗るとパニック発作を引き起こす場合、まずは電車を眺めたり、改札まで行ってみたりすることを行い、少しずつ不安や恐怖を減らしていきます。

改札まで行けるようになったら、短時間だけ電車に乗る、少しずつ電車に乗る時間を長くするといったトレーニングを行います。慣れるまでは家族やパートナーに協力してもらうのもよいでしょう。

最後に普段の呼吸法の見直しも行います。特にデスクワークの方などは呼吸が浅い傾向にあるため、ゆっくりと時間をかけて呼吸するように意識しましょう。

家族やパートナーがパニック発作を起こしたら

家族やパートナーがパニック発作を起こした場合、近くにいて背中をさすりながら「大丈夫、大丈夫」と優しく声をかけてあげましょう。

また、パニック障害の改善には長い時間がかかるので、自分だけでサポートしようとするのではなく、家族みんなで患者さんを支えるようにすることが重要です。

パニック障害の発作が落ち着かない場合の注意点

セルフ認知行動療法などでパニック障害の発作が落ち着かないようであれば、なるべく早めに専門家に相談しましょう。

パニック障害で死ぬことはないからと放置した場合、うつ病を併発するなどして思わぬ症状を引き起こす可能性があります。

パニック障害は正しい治療や意識の変え方によって、高い確率で改善できることが分かってきています。パニック発作や予期不安を繰り返すようであれば、まずは専門の医療機関で見てもらうことがおすすめです。

まとめ

パニック障害が起こったときの落ち着き方は以下のようにさまざまであることが分かりました。

    • すぐに外に出られるよう備える
    • 意識の方向性を変える
    • 「54321法」を試す
    • 「4・4・8呼吸」を行う
    • セルフ認知行動療法を行う

しかし、パニック障害の症状や程度は人によってさまざまなだけでなく、場合によってはその他の病気を併発している可能性も疑われます。

そのため、今回ご紹介した落ち着き方を実践しても改善が見られない場合には、早めに専門家に相談することを忘れないようにしましょう。

パニック障害の落ち着かせ方を理解することができれば、必ずパニックの不安や心配から克服できるヒントになりますよ!

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パニック障害の克服に向けた対処法

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「言葉でパニック不安をやめる方法」でわかること

  • パニック障害の不安が解消できる
  • パニック障害の対処法がわかる
  • 安心して毎日が過ごせる

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「言葉でパニック不安をやめる方法」については、こちらの記事を御覧ください。